有機塩素殺虫農薬ディルドリン

厚生省の発表によると、残留農薬は、オーストラリアから輸入された食用牛肉の一部(12トン)から検出された。

検出された農薬は、有機塩素殺虫農薬のディルドリンだった。量は1.24ppmだった。

FAO(国連食糧農業機関)、WHO(世界保健機関)の最大残留許容量0.2ppmを大きく上回った。

暫定基準値を設定

厚生省は、この検査結果に驚嘆した。そこで、とりあえず暫定基準値を設定した。

基準内容は、FAO・WHOと同じにした。以下の通りである。

残留農薬 検出値
総DDT 5ppm
ディルドリン(アルドリンを含む) 0.2ppm
ヘプタクロン(ヘプタクロン・エポキサイドを含む) 0.2ppm

空港や港の検疫でノーチェック

輸入農産物はすべて、空港や港で検疫を受ける。だが、未登録の農薬については日本データがなかった。

このため、どのような作物にどんな農薬が含まれているか分からなかった。ほとんどチェックされないまま輸入許可されていた。

アメリカの規制は緩かった

一方、登録されている農薬についても、日本の定めている農薬基準と比べて、アメリカの規制値は、作物によっては1000倍、平均でも数十倍とかなり緩かった。

FAO・WHOの設定値

このうち厚生省では輸入量の多い小麦について、有機リン系の2物質に限り、国連食糧農業機関(FAO)・世界保健機関(WHO)合同残留農薬専門委員会の設定値を基準に検査していた。しかし、この設定値は、日本の基準より16倍も高かった。

参考動画

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